DDP(Dongdaemun Design Plaza)東大門デザインプラザ

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DDP(Dongdaemun Design Plaza)
2024/6/23

2020年東京オリンピックに向けて、国立競技場を解体し、新国立競技場を新たに建設する際に私はザハ・ハディドの設計案を激推ししていた。大胆な曲線を描いた前衛的で斬新なデザイン、今の時代だからこそ実現できるザハ建築、それがいったんは決定したものの白紙撤回になった。ザハ建築のスタジアムが東京のランドマークになるのを夢見ていた。それが、なんとも無難な木造スタジアムに落ちついた。今でもとても残念に思う。

2014年に東大門に誕生したDDP(Dongdaemun Design Plaza)=東大門デザインプラザをずっと見たいと思っていた。日本から一番近いザハ・ハディド建築だ。旅の最後、夜の東大門に降り立った。

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DDP(Dongdaemun Design Plaza)東大門デザインプラザ

地下鉄を降りて、地上へと続く階段を上りながら思わず声が出た。なんというスケール!美しい流線型!建築とはこんなに自由なものなのかと、その想像を超えたダイナミックなビジュアルに驚いた。多くのメディアがこのDDPを表現するときに「非定型」という言葉を使うことに、ようやく納得した。巨大な宇宙線のようなこの建築は、アートホールや美術館、デザインマーケット、デザインラボなどの複合文化空間になっている。今回は建物の中をじっくり見ることができなかったので、次回のお楽しみにする。

建物の表面は、45,133枚のアルミパネルで覆われている。よく見るとパネルによって穴の数が異なっており、照明の強弱を付けている。

ハローキティ50周年アニバーサリー特別展

2024年で50周年を迎えるキティちゃん。ちょうどDDPでも特別展「サンリオキャラクターとの旅行」を開催中だった。会期は2024/8/13まで。東京ではキティちゃん50歳の誕生日、2024/11/1~2025/2/24に東京国立博物館表慶館で開催予定。私は東京の方に行く。

中学生の頃、私はサンリオが発行する「いちご新聞」のレポーターを1年務めていたことがある。毎号、投書してはイラストが掲載されたりしていた。キティちゃんのグッズが手元にない時代はなかったんじゃないだろうか。東京での展覧会が楽しみだ。

DDPの建築模型

地下鉄を出たところに建築模型が展示されていた。

Zaha Hadid – ザハ・ハディド(1950-2016)
「想像できないものを想像する建築家」

新国立競技場のザハ案のこと

ザハ・ハディドは2016年に65歳の若さでこの世を去った。こうした非定型な建築をイメージし、現代に形にできる建築家は彼女だけだろう。夜のDDPをぐるりと一周歩きながら、なぜザハの新国立競技場は実現しなかったのだろうと考えていた。「新国立競技場基本構想国際デザイン・コンクール」では、応募作品46点の中ザハの作品が最優秀賞に選ばれている。それを白紙撤回されたのはなぜだろう。ソウルでは実現したザハ建築、それはひと言で言えば「余裕」なのではないだろうか。日本には余裕がなかった、東京には余裕がなかった、政治に余裕がなかった、人々にもこの斬新なザハ案を受け入れる余裕がなかった。一方、韓国にはそれがあった。余裕がなければ、建物は四角いもの、競技場は丸いもの、その枠を出ないのではないか。

DDPの周辺には、地元の人々がランニングしたり、ピアノを弾いたり、椅子に横たわったり、建築と人とが調和していたのが印象的だった。世界中に数多くのザハ建築が存在する。この近未来的で幻想的なDDPを前に、実現しなかった新国立競技場のことが頭を離れなかった。

引用:日本スポーツ振興センター 広報誌より

独立行政法人日本スポーツ振興センターの広報誌には、2013/3/19に新国立競技場基本構想国際デザイン・コンクールで最優秀賞に選ばれたザハさんを迎えて表彰式を開催したことがトップで報じられている。それを白紙撤回した日本は、極めて無礼なことをしたのだと思う。

(これはただの建築好きな一般個人のたわ言です)

引用:日本スポーツ振興センター 新国立競技場 基本設計説明書(概要版)より

引用:日本スポーツ振興センター 新国立競技場 基本設計説明書(概要版)より

引用:日本スポーツ振興センター 新国立競技場 基本設計説明書(概要版)より

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