2021/6/15、ホームセンターでオリーブの木を買った。高さ190cmくらいの立派なオリーブ、車に積んで持ち帰った。
急にDIYを始めたのは、このオリーブの鉢がプラスチック製で、MARBLE B&Bの軒先に置くのに木製のカバーを付けたいなと思ったところから。のこぎりも上手に使えないDIYど素人の私が、果たして自力で木を切ったりできるのか。安物の電動ドライバーで組み立てができるのか。とにかくやってみることにする。
素人なので、時間もかかったし、失敗も多かった。うまくいかなくて、いったんバラしたりもした。そのおかげで、箱の構造もわかったし、電動ドライバーは垂直に力をかけて持つとか、慣れれば当たり前のことがいろいろ理解できたので、よしとする。
1. 材料
DIYの練習なので、安い「胴縁」という10本束になった杉材を使った。1×4材の方がずっと表面も角もきれいだけど、厚み19mmあるので重くてゴツイ。一方、この胴縁は厚み13mmでなんといっても軽い。練習にはうってつけだ。

理想は、なるべく軽くて、でも丈夫で、雨にも負けず、風にも負けない鉢カバーだ。

ちょうど胴縁10本使い切る計算。上手に切っていくと1本余る。でもこれ、若干長さが間違っている。木材の厚み13mmのところを、15mmで計算している。つくってるときに気づいた。大体の目安ということで。
2. 木材を切る
1820mmの木材、かろうじて車に乗った。早速、のこぎりで切っていく。メジャーで測って、シャーペンで印を付けて、きちんと切ったはずが、全然長さが違ってもう泣きたい。
シャーペンの細い芯はすぐ折れる。えんぴつだ。えんぴつを用意しろ。
垂直に線を引くには、スコヤが必要だ。スコヤは一つ持っておけ。
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電動サンダーで削る
素人だからと言い訳しないで、なるべく丁寧にきちんと作りたい。切り口がガサガサなので、電動サンダーで削っていく。ご近所に響き渡る爆音。子どもが寝ているんじゃないかとか、いろんなことが駆け巡って遠慮してしまう。それで、「ご近所に迷惑だろうし、この辺でいいか」と妥協してしまった。
ちなみにこのサンダーはAmazonで3000円くらいで売っていた中国製のもの。

ご近所に気を使いすぎると、サンダーは使えない。田舎だし、日中はみんなお勤めだし、ほんの数分だ。妥協せずにやる。
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3. スノコ状のものをつくる
最初に塗装してから組み立てるか
組み立ててから塗装するか
調べると正解はないみたいだ。塗装してからの方がきれいにできそうだけど、やわらかい木材だと塗料を吸収してやや歪むことがあるという記事も見かけた。で、「早くかたちにしたい!」と気持ちが先走って、おもむろに電動ドライバー片手に組み立て始める。

計画では左のような6枚のスノコ状のはずだった。ところが、隙間が広すぎた。もしや、隙間を詰めて7枚にした方がいいのでは?と、いったん全部やり直す。(この7枚のスノコ状のものも、のちに全部やり直す…)
ちゃんと隙間を計算してから組み立てること。
ビスが曲がっている!墨を引いて、一直線にビスを打つこと。
幅45mmの板なら、ビス2本は打ちすぎ。1本でいい。
この時点で既に歪んでいる!最初は、上の1本だけを固定してから立体にしていく。スノコ状にするのは最後。
4. 柱を立てる
平面を立体にするってこんなに難しいのか!と、途中で投げ出したくなったのがここ。いやあ、恥ずかしい!まったくもって、恥ずかしい!
この胴縁という木材、厚み13mmなので垂直にビスを打つのは至難の業。ビスを打つ位置が端っこ過ぎて、木が割れる。そもそも内側のこの木材を、もっと厚みのあるものに差し替えないといけないのでは?とホームセンターへ走る。

四つ角にしっかりとした柱を立てることにする。45 x 45mmの角材だとゴツすぎる。太すぎず、でも丈夫な柱を立てるのに選んだのが、このホワイトウッドの面取材だ。お手頃価格で、1820mmが1本あれば、柱4本立つ。


30 x 40mmなら、しっかりビスが入っていくかもしれない。ここで諦めるな。がんばれ。
うまくいかなくても、途中で諦めない。
5. 箱は直角に
柱を厚みのある木材に変えたので、安定感が増した。よしよし。
さて、この世にはコーナークランプという便利な道具があるらしい。プロ仕様でなければ、1000円以下で買える。一人でこういうハコ物を作っていると「ちょっとそっち側持っててくれる?」という場面が何度も巡ってくる。そんなときに、コーナークランプ!四つ角を持っててくれる!神!



ここでまた仕様変更。あんなにスノコ状にこだわっていたのに、板を全部詰めて、足を出すことにした。(この仕様変更の影響で、のちのち鉢の持ち手が収まらなくなるのだった)
このとき、カーペットの上で木と木の間に隙間が空いたままでビス打ちしていた。電動ドライバーの使い方が不慣れだからといって、これは間違いだと後々気づく。

一人でDIYするときの強い味方、コーナークランプで直角に!
やわらかい木をクランプで抑えると、金具の跡がついてしまう。かませ板を挟んでからコーナークランプを使うこと。
木と木は、きちんと隙間なく固定してからビスを打つ!
電動ドライバーは、しっかり力を入れて木に対して垂直に。
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6. 立体は難しい

上から見たときは直角でも、正面から見ると平行四辺形!なぜなの!
そして、ものすごいガタつき。もうガッタンガッタン揺れまくっている。18mmの板が入るくらい、1本の足が上がっている。
これは組み立て方に順序というものがあって、4つの面をつくってから組み合わせるよりも、まずは一番上の4枚を柱に固定して四角をつくる。ここで、高さが水平になっているかをチェックする。
次に一番下の4枚で四角をつくる。とにかく、一番外側の枠組みを最初につくる。この順番だとうまくいくみたいだ。やり直し!いったん全部バラす!
上から見て直角でも、正面から見ると高さが違う。
組み立ての順番に注意しながら、4つ角の高さを合わせて組み立てる。
7. バラして組み直す
ガタつく鉢カバーのままいくか、それともいったん全部バラして、やり直すか。面倒くさいが、やりなおそう。あとあとその方がいい。

この時点で、ガタつきがなくなった!バラしてよかった!あとちょっとだ。がんばれ。
面倒でも、失敗したなと思ったらやり直す。
DIYは後戻りできる!
8. 底板を付けて、ようやくかたちに
ご覧ください、この穴だらけの鉢カバーを!ボッコボコですよ。しかし、見た目は悪いが、ガタつきはなくなったし、なんといっても、オリーブの鉢がきれいに収まったではないか。DIY最高。これを見て、苦労がちょっと報われた。


表面にささくれたところがあったので、木工用ボンドを付けて、かませ板をしてクランプでしばし固定する。きれいにくっついた。このクランプはダイソーで買ったもの。
底板もまた木工用ボンドで、スノコ状にした。乾燥を好むオリーブ、鉢底から空気が入るように。
木工用ボンドって小学校の頃に図工で使ったり、手芸でフェルトをくっつけるのに使ったくらいだったけど、DIYではよく使うみたいだ。ビシャーッと大胆に木工用ボンドで木と木をべったりくっつけてから、ビスを打つとか。なので、今回どの程度の接着力があるのか試す意味で、底の部分だけはボンドを使った。
9. 木工パテで穴を埋める
やり直しが多かったので、ビス穴がいっぱい空いている。ペンキを塗れば、目立たなくなるかと思ったいたところ、インスタグラムでお友だちが「木工パテで埋めるといいよ」と教えてくれた。
木工パテ!
今すぐ買いに走りたい気持ちを抑えて、冷静に考えてみると、床の補修で使った木工パテが家にあった。ダイソーで110円で売っていた「穴埋めウッドパテ」というもの。安い。
本当はもう少し明るい色がよかったけど、気持ちが早く!早く!と抑えきれず、おもむろにダークウォルナットを爪楊枝で詰めた。最終的にペンキ塗るしね。それに、木工パテは時間が経つと色が少し白っぽくなるのも、床の補修で知っていた。塗ってしまえ。
木工パテは、大体24時間で乾燥する。翌日になって、固まったパテをやすりで丁寧に削って、フラットにした。そのおかげで、随分仕上がりがきれいになった!友よ!塗装前に教えてくれてありがとう!




ビス穴には木工パテ!
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10. 塗装して仕上げる


届いたばかりのペンキを夜のうちに塗る。翌日、乾いたところを二度塗りして仕上げた。
外で使う鉢カバーなので、防腐剤の入った塗料を使った。二度塗りしても0.7リットル缶の半分以上が余った。また次回使おう。
今回使ったのは、アサヒペンの「水性木部防虫・防腐ステインEX」で、色はウォルナット。ちょっと濃いめに仕上げた。もう少し、木目が出た方がよかった気もするけど、濃いめの色だとその辺が難しい。
Amazonで買ったこの塗料、2021年6月時点でなぜかウォルナットだけ890円と破格値だった。

二度塗り完了!ガタつきなし!
11. オリーブの鉢カバー、完成!
遂に完成。途中で何度もやり直ししてよかった!MARBLE B&Bのお客さまをお迎えするオリーブ、とてもいい!
ちなみに、ブランコやウッドデッキは、キシラデコールのチークを塗っている。今回使ったウォルナットよりも、ちょっと赤みがある。




つくってる途中で、底板をのせる木材を足したので、その分鉢が上にあがってしまった。それで、鉢の持ち手が左右ぴったりに収まるはずが、回らなくなった。あと3cm!3cm高さがあれば!
でも、一応鉢がななめに収まってるのでよしとする。
板をのせる木材(19 x 30mm)と同じものを上部の左右に付けたのは、より丈夫に仕上げたかったのと、手が引っかかって持ちやすいから。柱と同じサイズ(30 x 40mm)の木材を使えば、段差もなくもっとスッキリ仕上がったと思うけど、なるべく軽く、なるべく鉢を邪魔しないように19 x 30mmの木材にした。
それから、欲を言えば、背の高いシュッとしたオリーブなので、鉢カバーも横長よりも縦長に仕上げられたらよかった。縦横比があまりよくない。どっしりと安定感はあるんだけど。板7枚で面をつくったけど、板8〜9枚にして縦長に作ればよかったかもしれない。
12. 材料費
材料 | 単価 | 数 | 小計 | 店舗 |
---|---|---|---|---|
杉乾燥胴縁(13x45x1820mm) | 1097 | 10本束 | 1097 | ホームセンター |
ホワイトウッド面取材(19x30x1820mm) | 262 | 1 | 262 | ホームセンター |
ホワイトウッド面取材(30x40x1820mm) | 360 | 1 | 360 | ホームセンター |
皿木ねじ | 110 | 3 | 330 | ホームセンター |
塗料(水性木部防虫・防腐ステイン) | 890 | 1 | 890 | Amazon |
塗装用のハケ | 110 | 1 | 110 | ダイソー |
木工パテ | 0 | 1 | 0 | ダイソー(所持品) |
合計 | 3049 |
木材はすべて自分で切った。ホームセンターで切ると1カット50円なので、のこぎりで。木を切る練習を兼ねて。途中で材料が足りなくなったり、仕様変更したりで、何度もホームセンターに走ったりと、計画性はないし、手際は悪いし。でも、材料費は3000円くらいだったので、DIYの練習には最適だったかな。
つくってみた感想
鉢カバーは探せば安くていいものがたくさん売っている。だけど、ぴったりサイズを探すのは難しい。色や素材も、自分の好きなようにつくれる。自分が本当に欲しいものは、自分でつくるしかない。その甲斐あって、「こんな鉢カバーが欲しいな」と思っていたものができあがった。大変だったけど、楽しかった。次は多分、もっと手際よく、上手にできると思う。
DIYが得意な人は、杉の胴縁よりもSPF材の1×4できれいに仕上げた方がいいかもしれない。厚みもあって、ちょっと重たいけど、長持ちすると思う。
DIYを始めると、なにかと道具が増える。今回もスコヤ、コーナークランプ、ビスの種類も増えていった。そろそろインパクトドライバーが欲しいなと思ったりもする。そういう道具の大切さも知った。
そういえば、いろいろ調べている中で、「リサイクルウッドプランターカバー」という商品を見つけた。鉢カバーの材料がリサイクルで、釘あとがついていたりして、きれいとは言いがたいが、絶妙すぎる商品ページだった。
- あえて釘あとや傷を残しました
- サスティナブルな商品です
- ヴィンテージ感あふれるおしゃれな雰囲気
サスティナブル!ものは言い様だ。感心してしまった。
オリーブ大事にしよう。そして、鉢カバーまたつくろう。
![]() | 価格:4,990円 |

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