UAEの帰り道、エジプトのカイロ国際空港で17時間のトランジットだった。徹夜明けの早朝、カイロに到着したので、空港内で寝ていようとも思ったが、町に出ることにした。この17時間で、エジプト考古学博物館やギザのピラミッド、夜のハン・ハリーリ市場と駆け足で回った。
町はひと言で言えば、無秩序だった。車線があってないようなもので、クラクションを鳴らしまくってはグイグイと車が隙間なく割り込んでくる。いつになっても道路を渡れないでいると、おばあさんが私の手をとって「いい?渡るわよ!いくわよ!今よ!」と、足早に車の隙間を縫って一緒に渡ってくれた。
この17時間でどっぷりエジプトにハマってしまい、帰国後エジプト考古学の近藤二郎先生の教室に通ったり、本を読み漁ったり、エジプト考古学博物館で見たものの答え合わせをするように、歴史や副葬品について学んだ。心残りの多すぎるエジプト。なにせ地図も持たず、下調べもせずに降りたってしまったから、ツタンカーメンの副葬品を一部素通りしている!古代エジプト王のミイラも、知識がないから「おおぅ…、これがミイラ…」という感想しかなかった。知識を得れば得るほどに、残念でならない。
2021年6月現在も建設中の大エジプト博物館にエジプトと日本の友好モニュメントが設置される。そこに私の名前が刻まれることになっているので、確かめに行かないと。